本学では,2016年4月より,学部と大学院が一体となって教育を行う「学院」が創設されました。そのため,理工学研究科物質科学専攻では,2016年4月以降の新規学生募集は行っていませんのでご注意ください。
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専攻長のメッセージ  〜物質科学を開拓して明るい未来を作ろう

人類の歴史は物質・材料(マテリアル)の歴史 であるといえます。石器時代、青銅 器時代、鉄器時代といった表現がそれを表しています。そして20世紀から現在に至 るまで、物質科学(マテリアルサイエンス)の進歩が科学技術と社会の発展を支えて きました。すなわちマテリアルを制する者が、科学技術と社会の発展を制してきたの です。例えばスマホや携帯電話の開発には、リチウムイオン電池、半導体や電子部品 などのための材料技術と、それを支えるマテリアルサイエンスの知識が不可欠です。 インターネットが使えるのも光ファイバー(ガラス)や電子セラミックスのおかげで す。優れた薬の開発には、生体物質と反応の理解が欠かせません。ナイロンの発明が 衣服に格段の進歩をもたらしました。エネルギー問題や環境問題を解決すると期待さ れる燃料電池の開発には無機化学、有機化学、応用化学および材料工学の知識が欠か せません。それでもなお、現代社会にはエネルギー問題と環境問題をはじめとして、 目の前に課題が山積みです。そのような課題を解決して社会を持続的に発展させるに は、新物質および新しい合成法を発明・開発し、未だ解明されていない物質の物理的・ 化学的な性質を原子・分子・電子レベルから解明することが不可欠です。さらに、日々 の生活に役立つという側面ばかりでなく、それぞれの物質のもつ固有の性質や現象を 客観的に解明した上で、物質の新しい反応や新しい機能をもつマテリアルの設計を可 能にする方法を開拓していかねばなりません。我々は、21世紀の新たな物質文明を 築き、人類の永続的な繁栄を求めるために、これらの課題を率先して解決していこう と考えています。
我々、東京工業大学「物質科学専攻」の教育と 研究の目標は、物質・材料が示す性 質や現象に対して、そこで何が起こっているか(What)、なぜ起こるのか(Why)、 それらをどのようにして理解するか(How)を根源にまで立ち返って解明すること です。そして、その目標のためには従来の理学と工学の壁を取り払い、物質科学の教 育研究に関係する分野間の密接な交流を図ることが必須であると考えています。その ような交流を目指して設立された「物質科学専攻」では@一つの分野にとらわれない 分野横断的・複眼的な視野、A独創的な発想、B中長期の展望( ビジョン) をもち、世 界的に活躍する学生・研究者・リーダーの養成を目指しています。
我々、「物質科学専攻」は、東京工業大学・ 大学院理工学研究科(大岡山キャンパス) において学部をもたない専攻として、化学、応用化学、材料科学のみならず、学部に おいて物理学、農学、薬学、生物学等を学んだ学生諸君にも広く門戸を開いています。 21 世紀の明るい未来を切り拓く意欲的な学生の入学を心から期待しています。我々 と共に「物質科学:マテリアルサイエンス」を開拓し、明るい未来を作ろうではあり ませんか!

平成28年度専攻長
 【理学系】豊田真司教授  【工学系】扇澤敏明教授