本学では,2016年4月より,学部と大学院が一体となって教育を行う「学院」が創設されました。そのため,理工学研究科物質科学専攻では,2016年4月以降の新規学生募集は行っていませんのでご注意ください。
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物質科学専攻の概要

「化学」とは,原子や,原子が結合した分子からなる「物質」のもつ様々な構造や性質を調べたり,有用な物質に変化(変換)させる方法を考え出す研究分野です。また「材料学」とは,物質のもつ性質を機能として利用する方法を考え出す研究分野です。20世紀の化学と材料学は,膨大な数の人工的な物質を作り出して人類の生活の向上に大きく貢献してきました。しかしその発展の結果として,「基礎」と「応用」や,「化学」と「材料学」という分類自体があまり意味の無いものになってきました。その第1の理由は,どのような研究をするにしても物質を構成する原子・分子のレベルから考えなければならなくなってきたことです。第2の理由は,現在ではどんなに機能的に有用な物質でも地球環境に適合しない物質は作ることが許されないので,対象にしている物質の根源的な性質を解明することが不可欠になっているからです。

「物質科学」という新たな広い視点での研究の必要性が,近年強く認識されるようになってきました。本学大学院理工学研究科の「物質科学専攻」は,このような化学と材料学の発展の現状に対応して,理学部の化学科と工学部の金属工学科,無機材料工学科,有機材料工学科,化学工学科,高分子工学科の6学科を再編し作られた大学院のみの専攻です。この物質科学専攻は物質構造,物質変換,物質設計,物質機能の4つの講座から構成されており,母体となった6つの学科とその大学院専攻とも,緊密な関係を保っています。このような新たな理念に基づいて誕生した物質科学専攻は,化学と材料学の融合を目指し,その融合された知識を駆使した教育・研究を確立して,21世紀の物質研究の拠点となり,次代を担う研究者・技術者の養成を目指しています。